彦根城といえば、初代藩主・井伊直政も有名ですが、現在ではひこにゃんを思い浮かべますよね。
ひこにゃんは、平成18年(2006)、国宝彦根城築城400年祭のイメージキャラクターとして誕生したゆるキャラの元祖ともいえるもので、井伊の赤備えと称された井伊家ゆかりの赤い兜をかぶっている、白い猫なのです。
ではなぜ白い猫なのか?
実はひこにゃんが猫という理由は、歴史のエピソードが関わっているからなのです。
現在の東京都世田谷区に豪徳寺という寺があります。
かつて彦根藩二代目藩主・井伊直孝が、その豪徳寺の大木の下で雨宿りをしていた時の事。
大木の少し先で、白猫が直孝の方を見ながら手招きしていました。
雨の中、最初は珍しく見ていた直孝でしたが、あまりにも白猫が手招きするので、濡れるのを覚悟で白猫のほうに近づいていくと…
次の瞬間、直孝が雨宿りをしていた大木に雷が落ちたのです!
もし大木で雨宿りし続けていたら、雷に撃たれて絶命していたかもしれません。
そこを白猫の手招きによって助けられた直孝は、豪徳寺を井伊家の菩提寺としました。
ちなみにこれが招き猫の発祥とされ、ひこにゃんはこのエピソードがもとで誕生したキャラでなので、白い猫なのです。
また彦根城は明治時代に解体される危機に見舞われたことがあります。
その時、この白い猫の御利益かどうか分かりませんが、明治天皇が彦根を通りかかり、保存する様に命を下されたことによって、彦根城が現存天守として今日まで残っています。
ここでもまた命拾いしていますね。
ということで、ひこにゃんは単に可愛いというだけではなく、彦根藩主の命を助けた恩人(恩猫?)というエピソードが込められたキャラなのです。