滋賀県彦根市にある近江彦根城は、徳川四天王のひとり・井伊直政が初代城主となった城で、江戸時代を通りて代々井伊氏の居城となった城です。
国宝に指定されている天守を持つ彦根城は、天守以外にもたくさんの見どころがあります。
この記事では観光や城巡りで訪れた時のために、彦根城のチェックポイントをまとめてみました!
彦根城への行き方について。まずは電車編です。
電車で彦根城へアクセスする場合、まずは彦根城最寄り駅であるJR東海道本線彦根駅を目指します。
JR彦根駅に着いたら、後は歩いても彦根城に着くことができます。所要時間は約15〜20分くらいです。
次に車でのアクセス方法を説明します。
車でアクセスする場合、まずはカーナビの建物検索で、彦根城と入力すると出てくると思います。
またロードマップで行く場合、彦根城の住所をチェックして行きましょう。
彦根市金亀町1-1
次に駐車場について。
彦根城の駐車場は全部で三か所あります。
そんな中、私が今まで数回行ってみた体験による感想ですが、オススメは二の丸駐車場です。
その理由は、料金所が近いのでスムーズに城内を巡ることができるからです。
ここですね。
駐車料金は普通車1回400円。単車(バイク)100円。
ここで注意したいのが、時間制ではなく1回の料金という事。
例えば開園から閉園までずっと停めっぱなしでも400円ですし、30分で出ても同じ料金なのです。
だからできるだけここを拠点に彦根城を巡るのがベスト。
もうひとつの注意点は、土日祝日になると満車になる時間が早いという点。
彦根城は午前8時30分開園ですが、この駐車場は午前10時過ぎには満車になっている事が多く、午後にはほぼ間違いなしで駐車場待ちに行列ができています。
私は駐車場に並ぶ時間が30分あるなら、その時間はもうひとつ史跡を追加できると思うので、駐車場に並ぶのは好きではありません。
だからいつも9時過ぎには彦根城に来るように家を出ていますが、10時前ならほぼ駐車できますね。
彦根城の日本100名城スタンプの設置場所は、開国記念館です。
ここは彦根城の料金所や入り口と少し離れているので、地図でチェックしてみてください。
そして100名城のスタンプを押す台帳は、書店やコンビニで販売しています。
近所の本屋やコンビニにあると思うので探してみてください。
もし無ければ楽天やアマゾンといったインターネット通販でも購入することができます。(楽天ブックスなら送料が無料)
>>日本100名城公式ガイドブックを楽天ブックスでチェック!(送料無料)
駐車場に車を停めたら、いよいよ彦根城の散策です!
するとまず目に入るのが、水堀横にある土塁と石垣がセットになったもの。
これは腰巻石垣・鉢巻石垣といいます。まず真ん中の土塁の部分を人の体に見立てます。
土塁の上、つまり頭の部分にある石垣が鉢巻石垣。
土塁の下にあるのが腰巻石垣です。
なぜこんなものを築くのか?という理由ですが、一般的にまずは石材と工費の節約のためといわれています。
次に鉢巻は土塁の上部の崩落を防ぐため。
また腰巻き石垣も土塁が下部から崩れるのを防ぐためだといわれています。
彦根城二の丸料金所近くに石垣関連でもうひとつ見ておきたいものがあります。
それが登り石垣です。登り石垣とは、山の斜面を登るように築かれた石垣の事。
よく見ると石垣の向かって左側に窪みがありますが、これは石垣に沿って作られた竪堀です。
彦根城にはこの珍しい登り石垣が五カ所あります。
また豊臣秀吉が晩年に行った朝鮮出兵時に築かれた倭城(わじょう)にも見られる遺構です。
しかし全国的にも珍しい遺構で、彦根城のほか、洲本城(兵庫県)、松山城(愛媛県)など、限られた城でしか見ることができません。
彦根城に来た時には必ずチェックしておきたい遺構のひとつです。
彦根城に来た時、見るべきものはいろいろとあるのですが、その中でも忘れたくないのが国宝天守と5つの重要文化財です。
天守はともかく、では5つの重要文化財(重文)はどんなものがあるのか?それが次の5つです。
では、順番にチェックしてみましょう!
彦根城を【いろは松】から入ると、最初に目に入る重文はこの二の丸佐和口多門櫓です。櫓は明和八年(1771)に再建されました。
天秤櫓は鐘の丸から渡された廊下橋が、多門櫓の中央に開かれた城門に架けられ、左右に二重二階の隅櫓を配し、天秤の様に左右のバランスがとれている構図を持つ櫓です。
慶長八年(1603)〜十一年(1606)にかけて建立されたものと考えられており、長浜城の大手門を移築されたと伝えられています。
天秤櫓は中に入ることができます。
展示物はこれといって無く、構造を楽しむということですね。
天秤櫓からは、かつての石田三成の居城・佐和山城が見えます。
天秤櫓から渡り橋を見るとこんな感じです。
【白】が敵の侵攻ラインで、【赤】が天秤櫓からの攻撃ライン。
敵は【コ】の字に屈折して登ってきますが、防御側はその都度攻撃できることが分かります。
またイザとなれば、木橋を燃やして渡れなくすることもできますね。
渡り橋を横から見た図。
攻めてくる敵はまず鐘の丸に登り、木橋を渡り、そして天秤櫓を突破して本丸に迫るワケですが、木橋を燃やされると石垣をよじ登らなくてはなりませんね。
小谷城天守を移築したといわれている西の丸三重櫓は、本丸の隣に曲輪・西の丸にあり、東と北に1階の続櫓を『く』の字に付設してあります。
西の丸三重櫓の中も展示物はパネルくらいです。
彦根城内にある馬小屋。藩主などの馬を常備した施設です。
全国の近世城郭でこの馬屋が残っている例は彦根城だけで、日本城郭検定にもたびたび出題されます。
馬の収容数は21頭。
戦の無い江戸時代でも彦根藩は、著名な兵法家や武術家を多数召し抱えて、武術が藩内で学び継がれました。
また馬術も同様で、新当流、大坪流、大坪本流、八条流などの流儀が普及し、藩士も250石以上は馬を所持することを許可され、鍛錬を怠りませんでした。
馬屋の構造を見てみましょう。
左右に馬つなぎ柱があり、ここに手綱を縛りました。
上にある猿耳と呼ばれる桁(けた)は、馬の胴部に回す腹掛けを固定していました。
また床面の真ん中にある甕(かめ)は、馬の排泄物を処理しやすくする工夫です。
本丸の表口を固める太鼓櫓。彦根城築城時に他の城から移築されてきた建物といわれています。
櫓門としては珍しく、その背面が解放されて高欄(こうらん)付きの廊下になっています。
鐘の丸虎口の石垣は、解体調査の結果、石垣構築当時のものという事がわかりました。
また石の種類から、この鐘の丸虎口周辺の石垣の石は、佐和山城から運ばれた石という事が判明しています。
また彦根城の石垣をよく見ると、転用石がチラホラあるんです。例えばココ。○の部分をよく見ると…
なんと墓石です!
またこれは彦根城天守がある本丸北側の石垣の画像ですが、よく見ると墓石みたいな宝篋印塔(ほうきょういんとう)みたいな石が、石垣に組み込まれているのがよく分かります。
この墓石リサイクルは、兵庫県の姫路城や三重県の神戸城などにも見られます。
現代人の私たちの感覚では、『なんてバチあたりな〜!!』という気持ちですが、当時の人たちはあまり気にしなかったのでしょうか?
墓石だろうが地蔵でも単に石材として活用した…とか?
または逆の意味で魔除けとして組み込んだ?
いろんな事が想像できますね。
彦根城の一番高いところにある天守!国宝に指定されています。
大阪城などとは違い、彦根城は入り口で入場料を払っているので、天守に入る時にお金の支払いはありません。
では早速、登ってみましょう!
彦根城天守の中は土足厳禁で、靴は入り口で脱いでから中に入ります。
天守内の階段は非常に旧です。これは同じ国宝天守の犬山城や松本城も同じですね。
なぜこんなに旧なのかという理由ですが、一説では敵が攻めてきた時、楽に簡単に登れなくするためだとか。
なるほど、それで登りにくいワケですね。これだとベビーカーや車椅子も不可です。
彦根城天守の中は展示物はほとんど無く、構造を楽しむという趣旨になっています。
私の感想ですが、私も別に国宝天守の中にたくさんの展示物は必要ないと思います。
なぜかというと、展示物はふもとの資料館などでもOKだからです。
薄暗い天守の中は少し不気味でもありますが、江戸時代も主な照明は日の光くらいなので、その点では同じですね。
天守内部の壁をよく見てみると、三角やら四角の穴があります。これは鉄砲狭間(てっぽうざま)、矢狭間(やざま)という穴で、火縄銃や矢を城外に放つ時の穴です。
現在では閉じてありますが、もし戦になるとここから攻めてくる敵を攻撃することができました。
天守からは琵琶湖が見えます。当時の城主も眺めていた景色なのでしょう。
彦根城は観光客向けに旧城下町を整備した商業施設があります。
それが夢京橋キャッスルロードと四番町スクエアです。
ここには観光客向けの飲食店やお土産を取り扱う店舗がズラリと揃っています。
また滋賀県の名物・近江牛をはじめ、地元グルメや特産品、または戦国グッズなど、数多くの店があるんです。
私は何度も夢京橋キャッスルロード、四番町スクエアに行きましたが、ここでのランチにはコツがあります。
それは土日祝日になると、観光客がかなり多く、正午近くにはほとんどの店が待ちの状態になるからです。
この解決方法は、午前11時くらいに飲食店には入っておくこと。なぜかというと、ほとんどの店が11時開店なので、その直後ならすぐに食べることができます。
行列で30分待つくらいなら、史跡のひとつもチェックできますからね!
またキャッスルロードで必ずチェックしておきたいお寺があります。それが宗安寺(そうあんじ)です。
その理由は、まず宗安寺の門は石田三成の居城だった佐和山城の城門を移築したものだからです。
さらに墓地には大坂の陣で豊臣方として奮戦した木村重成の首塚があります。
彦根城の所要時間の目安について。
私が何度か訪れた体験から言うと、彦根城の所要時間は3〜4時間くらい確保しておきたいと思いました。
その内訳が以下の通り
所要時間には個人差がありますが、この時間を目安にあなたの彦根城のチェックしたいポイントの時間を増減してみてください。
あと私の感想ですが、国宝天守を持つ彦根城には様々な楽しみが用意されているので、城郭ファンはもちろん、お城には興味がない家族でも観光旅行として満喫できるでしょう。
まずは本物の天守や重要文化財群、そしてひこにゃんとのふれあい、城下町にはグルメやお土産など、予算は少し多めが良いですね。
またあまり彦根城に来れない方は、城と城下町で1日まるっと楽しむのもオススメ。それだけの楽しみが彦根城には有ると思います。