愛知県犬山市にある犬山城は、全国の国宝指定の城5つのうち、一番古い天守が現存する城です。
犬山城の築城は、織田信長の叔父にあたる織田信康が天文六年(1537)に木之下城を現在の場所に移築する形で築いた城です。
天正十二年(1584)年の小牧長久手の戦いでは、池田恒興、羽柴秀吉が入城し、江戸時代になると成瀬氏が代々城主となります。
そして平成15(2003)年まで成瀬家の個人所有の城でした。
個人的に大好きな城のひとつで、もう10回以上も行った犬山城ですが、行く度に新しい発見があります。この記事では、初めて犬山城に行く人もチェックできる見どころポイントをまとめてみました!
もくじ
犬山城のアクセスを説明しますね。
まず電車で行く場合の最寄り駅ですが、名古屋方面からだと名鉄犬山駅。岐阜方面からだと犬山遊園駅を目指します。どちらとも駅から歩いて15分〜20分くらいです。
分かりやすいサイトがありましたので参考にしてみてください。
次に車で行く場合は、犬山キャッスルパーキングを目指します。
駐車料金は普通車だと1回500円です。住所と地図を貼っておくので参考にして下さい。
■犬山キャッスルパーキングの住所■
犬山北古券22-4
犬山城を見る前に犬山城の前身の城をチェックしておきましょう。それが木之下城(きのしたじょう)です。
犬山城は、現在の場所にいきなり築かれた城ではなく、織田信康の居城だった木之下城を移転する形で築かれた城です。つまり犬山城の前身の城ですね。
この木之下城は現在、犬山市犬山愛宕にある愛宕神社になっています。
境内には木之下城時代から続く、水が枯れたことがない金名水や屋敷跡の高台が残っています。
詳細は次のサイトからチェックしてみてください。
犬山城の入口には、針綱神社、三光稲荷神社、猿田彦神社という3つの神社がありますが、その中で針綱神社は、犬山城を築城したといわれる織田信康ゆかりの神社です。
現在でも安産祈願のために訪れる参拝者が多いです。
針綱神社、三光稲荷神社、猿田彦神社のふもとの神社を抜けると、いよいよ天守に向かって歩いていきます。
その途中、狭い急な坂が続いており、なおかつ曲がりくねっているのですが、これはワザとこんな作りになっています。
なぜかというと、これは城の入口から天守(本丸)(が見えないように作ってあるからです。折れ曲がっているのもそのためなんですね。
さらに折れ曲がっている急坂の途中には、いくつもの門がありました。写真は矢来門の礎石。
折れ曲がった坂にある門なので、門を攻撃していると側面から城兵による攻撃を受けたりします。
今では礎石しかありませんが、実は尾張地方に犬山城の城門はいろんな移築されています。例えば犬山市のほか、一宮市、大口町です。
中には今でも普通に拝観できたりします。
急坂のすぐ側には、空堀が待ち受けていますよ。
そして坂の途中にある石垣。
自然石をそのまま積んだ野面積みのほか、石の接合部分を加工した打ち込みハギという工法も見られますね。
犬山城本丸は有料になっており、この入場ゲートで入場料を払います。
一般550円、小・中学生110円です。(2017年10月現在)
この他、犬山城下にある、城とまちミュージアム+からくり展示館+どんでん館のセット券や、リトルワールド、明治村、そして国宝茶室・如庵のセット券もあるので、犬山城と他の観光地をまとめて巡る時は、このセット券が割引が効いてお得ですね。
犬山城の100名城スタンプは、入口ゲートの真上にある、犬山城管理事務所にあります。
犬山城の日本100名城のスタンプは、ここしかないので、入場料を払わないとスタンプを押すことはできません。
スタンプ台帳は、日本城郭協会の公式ガイドブックに付属しているので、あなたの家の近所の書店などで購入しておいてください。
もし無ければアマゾンなどのネット通販でも購入できます。特に楽天ブックスは送料無料です。
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犬山城には御城印(ごじょういん)があります。
御城印とは分かりやすく言うと城の御朱印で、来場記念として購入できます。
販売場所は犬山城前観光案内所です。
それでは本丸内の見どころをチェックしてみましょう!まずは七曲門です。
ココは分かりやすく言うと、犬山城の裏門にあたる場所です。
天守のすぐ側に曲輪みたいな削平地があるのですが、その先にジグザグに折れ曲がった坂が見えます。これはかつての登城口です。
大手ではないのであまり知られていませんが、今でも当時の石段がハッキリと分かります。
ちなみに犬山城下に城とまちミュージアムという資料館がり、そこに犬山城のジオラマがあるのですが、そのジオラマにもハッキリとこの登城口が作られています。
ジオラマだけではなく、現地でも要チェックですね。
そして天守台の石垣。
犬山城は天文六年(1537)に築かれたといわれていますので、普通に考えると天守台の石垣もその当時のものですよね。
もっとも明治24年(1891)、マグニチュード8・4の濃尾大地震によって、天守が半壊し、その後修復されたので、この石垣がどれくらい修復されたのか分かりませんが、石自体は築城当時のものなのでしょう。
犬山城天守のすぐ側にある御神木。樹齢650年とは、スゴイですね。
城を守ってきた杉の木で、看板には枯れていると書かれていましたが、今でも生きている様ですね。
犬山城天守の下側を見ると、なんだかボコッとした部屋がくっついています。
これはつけ櫓といって、天守に侵入しようとする敵兵を側面から攻撃するための施設です。
でも私の感想ですが、正直、ここまで敵兵が迫ってきていたら、犬山城は落城しているのと同じと思いますが?
いよいよ天守の中に入ります。天守内は土足厳禁なので、靴は用意されたビニール袋に入れて天守内を散策します。
まずは地階(地下1階)。
左上方にある横に走る大きな巨材は、天守を支える地階の中吊りの土台材。
手斧(ちょうな)という、手のひらを内側に曲げた様な形状の特殊な斧(おの)で、大木を平に削りあげています。
地階の石垣。加工されている様な石もあれば、自然石の様なものもありますね。
犬山城2階は、主に武具の間になっています。
甲冑なども展示してありますが、犬山城天守内は展示物が少な目です。
つけ櫓内部。ここから敵を攻撃するようになっていたのでしょう。
2階には上段の間というのがあり、もし敵に攻められて籠城することになった場合、城主が滞在したであろう間です。
後ろには武者隠しの間というのがあり、ここに武者を潜ませていたのでしょう。
例えば敵方の開城の使者がやってきた場合、ここで会見し、条件が合わない時や交渉決裂の時などは、後ろの武者隠しの間から武者が出てきて、使者を死者に…なんて想像もできますね。
さて、2階中央に棚が並んでいる部屋があります。これが武具の間の由来で、この棚に甲冑や武具を置いていたのでしょう。
犬山城の階段は、かなり急ですよ。ほとんどナナメ45度に近いです。ミニスカート厳禁ですね。
犬山城の3階は、唐破風(からはふ)の間といって、飾り窓みたいな部分の内部です。ここは南北に唐破風の間を設置し、東西は入母屋破風(いりもやはふ)になっています。
天守築城当時にはなく、元和四年(1618)から貞享二年(1685)にかけて、70余年にかけて、犬山城主だった成瀬氏によって装飾のために増築したものと伝わります。
ここには展示物は無く、構造を見学する部屋ですね。
そして犬山城天守の4階。最上階です。ここはまず赤じゅうたんの部屋になっています。
壁を見ると、犬山城主を務めた成瀬氏歴代の肖像画や写真があります。つまり犬山城の殿様です。
初期の頃は肖像画ですが、明治くらいになると写真になっており。、時代の流れを感じる事ができますね。
最上階からは外に出ることができます。ここからは犬山城の東西南北といった四方を眺める事ができますが、雨や強風の時は限定されます。晴れている時がチャンスです。
屋根を見てみると桃の形をした瓦があります。これは桃には魔除けの力があるといわれているので、天守の魔除けの役割の桃です。
犬山城の最上階には、転落防止の金網などはなく、それこそ当時の城主気分で風景を見渡すことができます。
天気が良い日は、かなり遠くまで見渡すことができますよ。
天守から見た現在の城下町。中央の真っ直ぐに通った道路、分かりますか?
この道路の左右にいろんな店が並んでいます。ちなみに電線は地中に埋めてあるので見当たりませんね。(建っている棒は電柱ではなく街灯です)
犬山城の北側の写真。川が流れていますが、あれが木曽川(きそがわ)で、今も昔もこの木曽川が国境の川です。
木曽川の向かって左部分が岐阜県、つまりかつての美濃国ですね。
向かって右部分が尾張国、現在の愛知県です。
南を見ると、小牧山(愛知県小牧市)も見えます。そしてその向こうには名駅(名古屋駅)も見えますね!
小牧山はかつて、織田信長が美濃国を攻略するために城を築いた山で、これが小牧山城です。
そして天正十二年(1584)年の小牧長久手合戦では、徳川家康と織田信雄が本陣を置いた場所でもあります。
私の犬山城の感想ですが、この城は国宝天守の城だけあって、所要時間はできるだけ多めに確保した方が良いと思います。
なぜかというと、周辺の城下町を含め見どころが多いからです。
私が何回も行って体験した所要時間の目安は次の通りです。
これはあくまでも早目の所要時間で、犬山城だけでもジックリ周ると2時間は必要になります。あくまで参考程度にしてください。
また城下町も食事や食べ歩きはもちろん、城と町ミュージアムやからくり館など、セット券で巡る事ができますので、犬山城と合わせて楽しむ事ができます。
できれば多めに時間を確保して訪れたい名城ですね。