京都府長岡京市の勝竜寺跡は細川藤孝ゆかりの城です。
また明智光秀の娘・玉(後のガラシャ夫人)が細川忠興に嫁いて、約2年間新婚時代を過ごした城でもあります。
かつての勝龍寺城は公園として整備されていますが、城内はもちろん、近くの神足(こうたり)神社などにも遺構が残っており、見どころがたくさんあります。
この記事でチェックしておきましょう!
勝竜寺城公園へのアクセスを説明します。まずは電車編。
電車で勝竜寺城公園への行き方ですが、まずは最寄り駅であるJR長岡京駅を目指します。
JR長岡京駅から勝龍寺城公園は徒歩15分くらいです。
ちなみにJR長岡京駅からバスも出ています。降りるバス停は勝竜寺城公園前バス停です。
車で勝竜寺城公園への行き方ですが、まずはカーナビの検索で勝竜寺城公園と入力すれば出てくると思います。
もしロードマップで行く人は、勝竜寺城公園の住所をチェックして行ってみてください。
長岡京市勝龍寺13-1
勝龍寺城公園には公園利用者のための駐車場があります。
駐車料金は無料なので、これで時間を気にすることなく勝龍寺城を楽しむことができます。
ただ駐車台数は10台ほどなので、土日祝日は競争率も高いです。
それでは勝龍寺城の見どころをチェックしてみましょう!
勝龍寺城の本丸(中心部)は公園になっており、中央に休憩所を兼ねた資料館があります。
公園内をぐるりと囲んでいる水堀。
これは整備された井戸跡です。
勝龍寺城からは4ヶ所の井戸跡が確認されており、そのうち3ヶ所は細川藤孝が勝龍寺城を改修した時のものという事がわかっています。
井戸の大きさは直径約0.9m、深さ約2m。
底に太い木を井桁(いげた)に組み、その上に石を積み上げた立派なもので、発掘調査中にも水が湧き出ていたそうです。
細川藤孝の息子・細川忠興と明智光秀の娘・玉(後のガラシャ)婦人の銅像。
二人は約2年の新婚生活を勝龍寺城で過ごしています。
櫓の中は休憩所でした。
勝龍寺城の北西隅から北門跡が見つかっています。
枡形(ますがた)といって四角い空間を作り、進路をワザと折り曲げて、敵を横や後ろから攻撃する工夫が仕組んであります。
ちなみにこの北門から、山崎合戦に敗れた明智光秀が逃げたといわれています。
北門すぐの近くに転用石(てんようせき)があります。
転用石とは、石仏や五輪塔、墓石などを石垣に組み込んだものです。
○の部分をよく見てみると…
石仏が横たわっているのがわかります。
こちらはベンチの右側。
ココも石垣に四角い石が組み込まれています。
五輪塔の底部ですね。奥に向かって入っています。
実は勝龍寺城の発掘調査の時、城内や井戸の石垣からも転用石が多数見つかり、一ヶ所にまとめてあります。
転用石というと、織田信長ゆかりの安土城や明智光秀の福知山城、さらに国宝天守がある滋賀県の彦根城にもありますが、勝龍寺城にもたくさんありました。
なぜ石仏や墓石を石垣に組み込んだのかという理由は、いくつか説があるのですが、単純に石材として利用しやすかったのでしょう。
勝龍寺城を訪れた時、同時にチェックしておきたい場所があります。それが神足(こうたり)神社です。
※神足の読みは こうたり
この場所は細川藤孝が来る前、この地に勢力を持っていた神足氏の神足城があった場所で、勝龍寺城は神足城を整備拡張する形で築かれたとも考えられています。
現地案内看板より。勝龍寺城築城後は、曲輪の一部として組み込まれた様です。
神足城は勝龍寺城の前身の城とも言えますし、前身の城が拡張後、曲輪の一部として組み込まれた例は、静岡県にある浜松城の引馬城も同じですね。
神足神社に復元された虎口。堀と土塁、そして土橋で城内を守る仕組みです。
城外から攻め込む敵は、土橋(どばし)という細い道を渡らなければならず、油断すると左右の堀に落ちてしまいます。
その先には門があり、門を壊している時に横や門の上から攻撃されるのです。
城内から城外を見た図。つまり守備兵側ですね。
土橋細いわ〜甲冑を着た足軽が2列で攻めるのはちょっと無理ですね。左右の堀に落ちてしまいます。
この虎口の横には大きな土塁がありますが、土塁の断面をよく見てみるとタイルで地層が表現してあります。
発掘調査の結果、土塁頂部の幅は約3.4m、裾部の幅約7.5m、高さは約6mという事が分かっています。
また隣の堀からの土を数回に分けて積み上げてある事も分かっており、交互に積み上げた地層の様子をタイルで表現してあります。
勝龍寺城の所要時間ですが、まず本丸の公園は資料館を含め約30分。神足神社で約15分。あと+αで約1時間あれば一通り見ることができると思います。
私の感想ですが、勝龍寺城は整備された公園とすぐ近くの神足神社を合わせることによって、城巡りファンを満足させる事ができる城だと思いました。
その理由は、分かりやすい展示や資料館にボランティアの方もいるので、詳しく説明して頂けるからです。
また細川藤孝、明智光秀、細川忠興、ガラシャなどの縁の地でもあるので、武将や人物が好きな方は特にオススメです。