長崎県平戸市の肥前平戸城は、松浦氏の居城跡です。別名・亀岡城(かめおかじょう)、亀甲城、日之嶽城。また日本100名城にも認定されています。
肥前の戦国大名といえば、龍造寺氏や鍋島氏が有名ですが、長崎県平戸市では松浦(まつら)氏が勢力を持っていました。
お城と共にフランシスコザビエルや三浦按針(ウィリアム・アダムス)もゆかりがある平戸市の城下町もあわせてチェックしてみましょう!
もくじ
平戸城への行き方の一例を説明します。
まずは飛行機、電車、バスでアクセスする場合、佐世保駅を目指します。佐世保駅の近くにバスターミナルがあり、そこから平戸市への直行バスが出ているので、それに乗ってしまえば乗りっぱなしで平戸市へ到着します。
ちなみに佐世保駅(バスターミナル)からの所要時間は約1時間40分、料金は1,500円です(道路事情により遅れる場合もあります)
はい、平戸市に到着しました。ここからは以下のいずれかの方法で平戸城を目指します。
●徒歩 約20分くらいです。
●タクシー 1,000円未満です。
●レンタサイクル 10分
私の感想ですが、アクセスのオススメは徒歩です。その理由は、歩きながら平戸城の地形やかつての城下町を楽しむことができるからです。
次に車での行き方ですが、まずはカーナビで平戸城と検索すると出てくると思います。ロードマップで行く場合は平戸観光交流センターの駐車場を住所からチェックしてみてください。
住所
平戸市岩の上町1473
平戸城の駐車場は、平戸観光交流センターの駐車場が利用可能です。駐車料金は無料。ここに車を停めれば平戸城本丸は数分です。
平戸バスターミナル周辺は、かつての平戸城の城下町です。現在では開発が進んでいますが、城下町ポイントとして見ておきたいものがたくさんあります。
平戸城へ行く前でも良いですし、行った後でゆっくり楽しむのも良いですね。個人的にオススメのものを紹介します。
松浦史料博物館
平戸城主・松浦氏の館跡に建てられている資料館。松浦氏歴代の収蔵品を展示してあります。
平戸オランダ商館
慶長十四年(1609)に東インド会社が建設した商館を再現した建物。商館時代の展示物や江戸初期の諸外国の様子が分かりやすく解説してあります。
フランシスコザビエル記念碑
教科書にも出てくるフランシスコ・ザビエルは、布教のために平戸を計3回も訪れています。そのザビエルの館跡近くに建てられた記念碑です。
三浦按針の墓
日本に漂流し徳川家康に仕えたウィリアム・アダムス(三浦按針:みうらあんじん)の墓です。
按針は家康には厚遇されたものの、秀忠の代になると冷遇され、元和六年(1620)に平戸で亡くなりました。享年55。
NHK大河ドラマ候補にもなっている三浦按針の墓は平戸にあると知っていましたが、今回初めて訪れることができました!
平戸城は財団法人・日本城郭協会の日本100名城に指定されています。そこで100名城スタンプの場所は天守入り口です。
この場所以外に100名城スタンプは置いていないので、押し忘れに注意しましょう。
ちなみにスタンプ台帳は日本城郭協会の公式ガイドブックに付いています。まずはあなたの近所の本屋でチェックしてみてください。
もしなければネット通販でも購入できます。
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それでは平戸城内を散策してみましょう!登城口でオススメなおは国道383号線から入る道。亀岡神社の石碑がある入り口。車で来た時は駐車場から少し離れていますけど。
ここから入城するのが良いのかという理由ですが、城内の屈折を味わうことができるからです。
亀岡神社の石碑から入ると、ゆっくり上り坂になっており、平山城の雰囲気を味わえます。しかも屈折…
どれだけ横矢掛りできるんだ〜
そうこうしているうちに途中の駐車場から入る道に出ます。ここもよく見ると虎口(こぐち)になっており、門跡もあるのですけど、【コ】の字に曲げてあるのがよく分かりますね。
そしてこちらは本丸付近の城門櫓みたいな場所からの眺め。門に向かってくる道をよく見てみると…
やはり折れ曲がっているんですね〜
なぜ平戸城はここまで折れに折れ曲がっているのかという理由ですが、簡単にいうと山鹿流(やまがりゅう)の築城術の特徴のひとつといわれています。
山鹿流とは、江戸前期の兵学者・山鹿素行(やまがそこう)によって完成した軍学で、この中に築城術も含まれています。
しかし山鹿流の築城術に関しては謎も多く、何がどうなれば山鹿流!というはっきりしたもはよく分かっていないんです。ただいくつかの特徴のひとつに屈折を多用している点が指摘されています。
実際に平戸城を訪れてみると、城内のイヤというくらいの屈折を体験できます。
平戸城で必ず見ておきたい2つのポイントを紹介します。それが現存の北虎口門(搦手)と狸櫓です。写真は北虎口門。
平戸城は明治四年(1871)に廃城となり、翌年に城の建物は取り壊されましたが、北虎口門と狸櫓(多門櫓)は解体されずに残されました。それが現存しています。
こちらは狸(たぬき)櫓。正確には多門(たもん)櫓ですが、狸櫓と呼ばれる逸話が残っています。
天保初年(1830)頃、多門櫓の床下には狸が住んでおり、多門櫓の修理のために床板を全てはぎ取ったことがありました。困った狸は小姓に化けて藩主の寝所に赴き、藩主に次のように交渉します。
『私たち一族を櫓に住まわせてくれたらずっと櫓を守る』と。
そこで藩主は翌日に床板を元通りに戻し、それ以後、狸櫓と呼ばれるようになったそうです。
狸櫓が現存している点を考えると、この時の狸の約束は守られていますね。
北虎口門と狸櫓は隣接しており、門を突破しようとする敵に対して側面から攻撃できる仕組みになっています。
また狸櫓も横続きにある鉄砲狭間(さま)により守られている工夫があるのです。
鉄砲狭間は多くの城に残されていますが、石垣作りの狭間は珍しいですね。
平戸城その他の見どころをまとめてチェックしてみます!まずは平戸松浦氏の霊と神々を祭った亀岡神社。
平戸城がある場所の亀岡公園の由来にもなっている神社です。
これは結局最後まで分からなかった謎の石組。
中は空間になっており、もしかして平戸城時代の倉庫?みたいなものでしょうか?案内板が欲しいですね。
平戸城には狸櫓を含む5つの櫓があり、そのうち4つの櫓が見学可能です。狸櫓以外は昭和の再建ですけどね。
これは乾(いぬい)櫓。中は売店になっています。
地蔵坂櫓。
北虎口門の隣にあり、狸櫓とセットで北虎口門を守るように設置されています。
地蔵坂櫓の向かいには土塁みたいなものがありますが、よく見ると頂上に石垣があるんです。これは謎!
天守よりも海に近い場所にある見奏櫓。対岸の田平町がよく見えますね。この見奏櫓も中に入ることができます。もうひとつ懐柔櫓があるのですが、これは見学不可で中に入ることもできません。
平戸城天守の中はどうなっているのか?天守内レビューです。
現在の天守は昭和三十七年(1962)に建てられ三層五階の模擬天守です。正面からだと気付きにくいのですが、横から見ると付櫓がありますね。
天守入り口にある日本100名城のスタンプ。集めている人はお忘れなく!
平戸城天守閣の中は資料館になっており、松浦氏や対岸の田平町の歴史などの展示がメインです。
北虎口門の潜り戸。門の脇にある小さな扉ですね。宝永四年(1704)の築城当時のものです。
昭和の頃から見かける城メダル自販機。いろんな城で見かけます。どこで作っているのか不明の自販機です。隣は刻印機。
最上階は展望台になっており、平戸城の四方を眺めることができます。これは対岸の田平町方面を眺めたもの。この方角が一番のお気に入りです。
見奏櫓、懐柔櫓も見えますね。
こちらは旧城下町方面。かつては港もあったのでしょう。湾になっている様子がよく分かります。
宿泊で平戸城に行く時、個人的におすすめと思ったのが、平戸市観光交通ターミナル周辺のホテルや旅館です。佐世保からのバスが到着するバス停ですね。
なぜかというと、次の3つの理由があるからです。
平戸バスターミナル周辺は、かつての平戸城の城下町です。現在では観光地になっており、三浦按針の墓やフランシスコザビエルゆかりの地といった戦国関連の史跡がたくさんあります。
平戸城の開館時間は午前8時30分なので、早起きしてこれらの史跡を巡っておいて、平戸城には開城直後に行くという旅行プランもできます。
また飲食店が多くコンビニもあるので、素泊まりプランでも問題ナシ!
そして平戸は観光ホテルが多いのですが、宿泊の値段はリーズナブルな宿が多いのが特徴です。
例えば今回私は平戸海上ホテルに泊まりました。平戸海上ホテルは露天風呂や水族館風呂といった変わった施設があり、料理にも定評もあります。
早めにチェックインして、のんびり城下町を巡ったり、夕食は地元の飲食店というのも良いですね。
あと楽天トラベルだといろんなキャンペーンがあって、かなりお値打ちに泊まれたりするので、ホテルや旅館を決める前に一度チェックしておくことをオススメします。
平戸城の所要時間について。私が巡ってみた感想ですと、サッと巡って1時間、ゆっくり巡って2時間くらいだと思いました。
私の平戸城の感想ですが、平戸城はかつての城下町とセットで巡るのがオススメだと思いました。その理由は、三浦按針の墓やフランシスコザビエルゆかりの地といった戦国関連の史跡がたくさんあるからです。
場所的に交通アクセスが不便でもあるので、訪れた時は存分に楽しみたいですね。
また平戸城とセットでチェックしておきたいのが、教会などのキリスト教関連史跡です。平戸や対岸の旧田平町にもキリスト教関連の教会や史跡もあるので、できればレンタカーでまとめて巡るのが良いですね。
戦国時代とキリスト教も関連が深いですし、土地的にも長崎以外では、なかなか関連史跡も少ないからです。特に私が住んでいる愛知県では、キリスト教関連の史跡はほとんどありませんからね。
平戸城のオススメお土産はオススメのお土産はカスドース。
これはカステラが伝わる以前に伝来した西洋のお菓子で、平戸の名物になっています。
昔ながらの製法で、原材料も鶏卵、砂糖、小麦粉、みりんのみ。平戸藩門外不出のお菓子で天皇陛下にも献上された逸品なので、是非チェックしてみてください。